ワクチンをきちんと接種したのにインフルエンザにかかってしまう人は少なくありません。文献によってはワクチンを接種しても40~60%の人がインフルエンザになってしまうといわれています。
しかしワクチン接種により学校、職場などでの集団発生が有意に減少するというデータもあり、またインフルエンザにかかっても高熱が抑えられたり、脳炎や肺炎の合併症が起こりにくいといわれています。そういった意味でもワクチン接種を推奨します。
当院では一般的な注射で接種する不活化ワクチンと、霧状のワクチンを鼻に噴霧する生ワクチン(フルミスト)の両方を取り扱っています。新型コロナの影響により、一日に接種できる人数の制限を行う場合があります。
不活化ワクチンは接種後2週間ほどで体内に免疫ができて予防効果ができます。その効果は4~5ヶ月程度持続します。日本のインフルエンザ流行期は12月から3月ですので、10~11月中に接種を行うのが効果的と考えます。13歳以上の方は基本的にはワクチン接種は1回ですが、2回接種することでより高い予防効果を期待できるという報告もあります。(ブースター効果)
生ワクチンも接種してから免疫ができるまで2週間ほどかかります。生ワクチンの効果は1年程持続します。
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンであり、胎児への影響はありません。妊娠中にインフルエンザにかかると重症化すると言われており、現在妊娠初期からの接種が推奨されています。また授乳中でも接種は問題なく、授乳中のお子さんへの感染を防ぐ意味でもご両親への接種をお勧めします。
なお、生ワクチンは妊娠中・授乳中の方は接種できません。
発熱してから半日くらいしないとダメともいわれますが、発熱からほんの数時間でも陽性にでることもあれば、発熱した初日、翌日と陰性で3日目に陽性だったケースもあります。1回目の検査で陰性でも、熱が続くようであれば翌日の再検査をお勧めします。
当院では富士ドライゲノムIMMUNO AG1を導入して発症初期の患者さんの早期診断をこころがけています。
タミフル、リレンザ、イナビルは予防投与が認められています。(すべて保険適応外)
予防投与は原則として、同居している人がインフルエンザで、かつ予防投与を受ける方が高齢であったり慢性の呼吸器や心臓疾患がある場合となります。
安易な抗インフルエンザ薬の使用は薬への耐性ウイルスを出現させる恐れがあり、予防投与の判断はケースバイケースです。
医院名 |
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医療法人社団紫水会 都立大わたなべ耳鼻咽喉科 |
院長 |
渡辺 道隆 |
住所 |
〒152-0023 東京都目黒区八雲2-8-11 第一益戸ビル1F |
診療科目 |
耳鼻咽喉科・気管食道科 アレルギー科・小児耳鼻咽喉科 |
電話番号 |
03-5726-1133 |